代表理事(理事長) 工学博士、医学博士 魚里 博
President: Hiroshi UOZATO, Dr. Engg & Dr. Med
日本スポーツビジョン協会の理念と展望に共感し、2022年10月に長田夏哉前理事長より代表理事を引き継ぎさせていただきました、東京眼鏡専門学校校長・日本眼鏡学会理事長の魚里 博(うおざと ひろし)と申します。よろしくお願いします。
私は奈良県立医大眼科や北里大学(医学部・医療衛生学部)などにおいて主に医師や視能訓練士などの専門職の養成に携わって参りました。20世紀後半からは定年退任するまで北里大学大学院医療系研究科(修士・博士課程)の感覚・運動統御医科学群の学群長として眼科学・視覚情報科学だけでなく言語聴覚や運動機能回復やリハビリテーションなどの包括分野での研究者・教育者・技術者を養成して参りました。眼科や耳鼻咽喉科だけでなく整形外科やリハビリテーション学などとの連携で医学と医療の総合的な発展を目指して教育研究に当たって参りました。この経験を元に本協会の発展のために微力ながら尽力して参りたいと思います。
さて、日本スポーツビジョン協会が従来の日本スポーツビジョン研究会(本協会の前身)から発展するにあたり、これまでのスポーツ選手を対象とした測定結果から、視覚の能力には個人差がありますが、競技力の優秀な選手は優れた視覚特性を持つことや、また競技種目によっては必要な視機能に差が認められることなど多くの知見が得られています。また、高い視覚能力は優秀な競技力の「必要条件」ではありますが「十分条件」ではないことも判明し、いかに「見る」と「パフォーマンス」を効率よく有効に繋げるか、という新たな課題も明らかとなってきました。
そこで、“スポーツビジョン“を、スポーツと視覚の研究、スポーツに必要な視機能の総称、眼からの視覚情報を出力する際の身体制御および身体パフォーマンス、これらの総称と定義し、このテーマに応えていくために、日本スポーツビジョン協会は、外部研究機関として各大学の先生方と連携いたします。視覚・脳・肉体の関連性を科学的に解明し、スポーツビジョンにおける最先端かつ科学的根拠に基づくエビデンスを構築、スポーツ現場により有益で適切な情報を提供して参ります。
最後になりますが、本協会が我が国におけるスポーツビジョンの発展に少しでも貢献できるよう精進して参ります。どうかご指導、ご鞭撻賜りますようよろしくお願い申し上げます。(2022年10月)